多くの困難に直面するも、
諦めずに努力し続けることで乗り越える
数々の壁を越えて得た財産を手に、
日本の素晴らしさを母国に伝える存在を目指す
氏名
Miguel Garrido Gonzalez(ミゲル・ガリード・ゴンザレス)国籍
スペイン日本語能力
日常会話レベル使える言語の種類
日本語 (日常会話レベル)在住
千葉県学校名
神田外語大学学部・学科
---学年
4年生卒業年度
2016卒志望業種/業界
業種・業界は問いません志望職種
与えられた仕事ならなんでも希望勤務地
母国学生団体
学生国際交流団体Elan日常または過去にどのような活動(例えば学生団体所属等)に力を入れていますか?または入れてきましたか?
私はこれまでの人生で数々の困難に行く手を阻まれながらも、屈することなくそれを自分の力ですべて乗り越えてきました。可能にしたのは私の決断力だと思っています。
私は高校生までずっと、獣医師になることを目指していました。その夢に向かって必死に勉強したのですが、結局獣医大に入るのに十分な成績を収めることができませんでした。そこで私は薬学系の大学に入学することを決断します。しかしながらしばらくすると自分がこの分野に興味を持てないことに気づき、すぐに中退して別の分野の世界に足を踏み入れました。情報系の専門学校に入学、主にパソコンの修理技術を学びました。ここで私は2年間過ごし、途中で3ヶ月間の店舗業務も経験します。しかしこの領域で仕事を見つけることが困難であることに気づき、またしても窮地に立たされました。
ここでも私はくじけることなく、軍への入隊を希望し、丸一年かけてジムで身体作りに励みす。ところが不幸なことに、今度は背中を故障してしまい、健康診断ではじかれてしまったのです。再び振り出しに戻されてしまった私は、初めに夢見ていた獣医の助手を目指してみようとああらためて考えます。2カ月間の独学を経て資格を取り、研修として3カ月の間、動物病院に勤務しました。しかしその頃、母国スペインの失業率は非常に高く、研修後に定職に就くのが絶望的という状況を知ります。もうこれで終わりかと思いましたが、ある日友達に日本について勉強することで新しいキャリアをスタートさせたらどうかと提案されました。その選択がついに的中し、現在日本にたどり着いているわけです。
その中で、自分の行動により得られた結果・実績を教えて下さい。
非常に紆余曲折あったこれまでの人生で、私はどんなにつらい時でも、絶望的な状況に陥ったとしても、希望を捨てずに自分を信じて突き進めば道は開けるということを学びました。今後私の身にどんなことが起ころうと、これまでの経験を生かして乗り越えられる自信があります。私以上に自分ですべてをこなしていける人間はいないのではないでしょうか。
さらに、無駄になってしまったように見えたこれまでの知識も、今後必ずどこかで私を助けてくれると思います。現在の私は、パソコンの修理もできれば、動物治療のアシスタントとしても働けるわけですから。他の人が経験していないような苦難の連続を乗り越えて、現在ではその過程の一つひとつが私の血となり肉となっていると思います。
あなたが日本に来ることになった経緯を教えてください。
私は小さい頃から日本のアニメをよく見ていました。特に私が興味を持ったのは内容よりも主題歌でした。スペインでも日本のアニメの主題歌は吹き替えられずに放送されていて、初めて耳にした日本語の響きは、私にとって非常に魅力的でした。
やがて私は日本の音楽を聴き始めるようになり、その都度インターネットで歌の意味を調べて、歌手がどのような気持ちで歌っているのかを感じようとしました。しかし歌詞の翻訳が見つからないものもたくさんあり、やはり自分自身が日本語と向き合い、自分で理解することが必要だと感じ始めます。つまり、日本語の勉強は趣味の一環としてスタートしたのです。
私は言語から日本との付き合いが始まったわけですが、当然そこから文化や実際の人など、さらに深いところまで知りたいと思うようになります。そんな時、キャリアの可能性の一つとしての日本を友人から提案され、私はそれに飛びついたのです。首都マドリードの大学に入学し日本について真剣に学び始め、ついに奨学金がおりて日本へ来ることができました。
日本でどのくらい滞在したいか、日本で何を成し遂げたいかなど、あなたの日本での今後のビジョンを教えてください。
私は現在マドリード大学の留学生として日本に来ています。そのため今年の夏ごろに一度スペインに戻り、大学を卒業することになります。卒業したら、私は必ずすぐに日本に戻ってきます。日本は本当に素晴らしい国です。私の紆余曲折した人生にピリオドを打ってくれた日本に、今は将来ずっと住みたいと考えています。
私はこれまである程度能力を手にしてきましたが、将来的な私の理想は、日本で翻訳者になることです。漫画やアニメなどを自分の手で母国語に翻訳することで、この素晴らしい日本の文化を私と同じ母国語の多くの人々に正しく伝えていきたいのです。そして自分はこの国にすっと留まり、日本人と結婚して日本で家庭を持ちたいとまで思っています。
そこには多くの困難が私を待っているかもしれません。しかし私にとっては何の問題でもないのです。これまでの人生で、どんな壁にも正面から立ち向かって乗り越えられる自信を手にしたわけですから。
[インタビュー日:2015年2月]